2025年、特定技能は“渋滞シーズン”へ

今年前半(2〜3月)は比較的スムーズだった特定技能1号の審査ですが、ゴールデンウィーク明けから様子が一変しました。5月以降は「書類を出しても結果が来ない」という声が急増し、実際に以下のような遅延が目立っています。

特定技能1号で起きていること

  • 在留資格認定証明書(COE)の交付まで
    これまで平均45日前後だったものが 60日超え にシフト。

  • 技能実習→特定技能への在留資格変更
    55日前後だった処理が 常時60日以上 へ。

背景には

  1. 制度が浸透して申請総数が増えたこと

  2. 2027年スタート予定の「育成就労制度」を見据え、企業側が前倒しで採用を進めていること
    が絡み合っています。

技能実習にも“影響の波”

技能実習3号への移行・更新も処理が伸びがちで、月によっては 80日超 の報告があります。審査項目が多いタイミングに差し掛かっているため、こちらも油断できません。


スケジュールを組むときの鉄則

  1. 面接から入社までは最低3か月を確保

    • 審査だけで2か月、本国手続きで+数週間がデフォルト。

  2. 国内在留者でも“即戦力”と思わない

    • 在留資格変更は国内申請でも2か月強。

  3. 海外在住候補者は追加ステップを忘れず

    • COE交付後に

      • 本国での「海外労働許可」

      • 在外公館でのビザ発給
        が必要。窓口予約制の地域だとさらに延びる。

  4. 書類不備=+1〜2週間のペナルティ

    • 技能実習からの移行は提出物が多いため、ダブルチェック必須。


今すぐ出来る“渋滞対策”チェックリスト

  • 面接時点で「最短入社日は○月○日」と逆算して共有する

  • 社内用の提出書類チェックリストを標準化

  • 候補者と週1で進捗をオンライン確認(本国側手続きの遅延を早期発見)

  • 育成就労制度の最新情報をウォッチし、要件変更に備える


まとめ

「余裕」と「見える化」が命綱。

審査の遅れは申請者側ではどうにもできません。だからこそ、

  • リードタイム3か月を“最低ライン”として計画する

  • 進捗を関係者全員で共有し、ずれ込みを早期に可視化する
    この2点が採用競争で後れを取らない鍵になります。


登録支援機関として、審査動向のモニタリングから書類の事前レビュー、本国との連携までワンストップでサポートいたします。お気軽にご相談ください。