新たな外国人政策「総合的対応策」とは何か

政府が毎年アップデートしている「外国人材の受入れ・共生に関する実行計画」です。ポイントは、受入れ拡大だけではなく、秩序ある共生=管理の高度化と違法・不正への対処をセットで進めること。今回の文書では、送還・不法就労対策、在留管理のDX、手数料見直しなどが具体的に並び、方向性がかなり明確です。

今回の「総合的対応策」で見えている大きな流れ
1) 「不法滞在者ゼロ」を掲げ、送還を強化

文書内で「不法滞在者ゼロ」を理念として、護送官付き国費送還の増加など、送還の実行力を高める目標が書かれています。
受入れ企業としては「逃亡・行方不明=放置して終わり」ではなく、行政側の追跡・対応が強まる前提で、日頃の管理と記録が重要になります。

2) 不法就労と偽造在留カードへの対策が強まる

不法就労が認められた人数に触れた上で、偽変造在留カード対策や取締り強化、関係機関の連携、データ分析の活用などが記載されています。
また、在留カード等読取アプリの周知や機能充実も示されており、**雇用側の“確認の質”**が問われる流れです。

3) 在留管理のDXが一段進む(情報の一元管理・高度化)

入管DXとして、外国人の入国から出国までの各種情報の一元管理を目指し、在留審査の迅速化、在留状況の把握、在留支援の充実などを進める方針が書かれています。
現場感で言うと、今後は「書類の整合性」「履歴の連続性」がより見られ、ズレがあると手続きが止まりやすくなります。

4) 在留関連手数料の“引上げ”が明記

主要国水準や応益的要素を考慮して、在留関係手数料の在り方を見直し、引上げを実施することが書かれています。
これは、転職・更新・変更が多い業種ほど影響が大きいので、企業側は「誰が負担するか」「採用計画にどう織り込むか」を早めに決めた方が安全です。

5) 国・自治体・関係機関の連携強化

国と自治体が連携して相談対応体制を整備し、必要に応じて違法・不正事案の取締りにつなげることも検討する、といった記載があります。
“相談窓口=支援”だけでなく、“相談情報=是正や取締り”にもつながり得る時代になる、ということです。

受入れ企業・登録支援機関が「今」やるべき準備

ここからが実務です。方向性が管理強化なら、やることはシンプルです。

・雇用条件書、賃金規程、控除の根拠、住居費など「説明できる形」で整える
・在留カード確認(読取アプリの活用含む)をルール化し、担当者依存をやめる
・転職・更新・変更のフローを“止まった時”まで含めて設計し、本人の無収入期間を作らない
・支援記録を「あとから出せる」状態で残す(口頭運用をやめる)
・逃亡・退職時の対応を事前に決めて、関係者の連絡網を作っておく