実録!外国人介護スタッフとのトラブル事例とその対応

“叱る”より“理解する”が信頼への第一歩

外国人介護スタッフの受け入れが進む中、現場ではさまざまな**「想定外のトラブル」が起きています。
でも、トラブルが起きるのは当然のこと。言語・文化・価値観の違いがある以上、それを
ゼロにすることはできません。**

大切なのは、「問題が起きたときにどう向き合い、どう改善していくか」です。
今回は、実際に私たちが支援してきた中から、現場で起きたトラブル事例とその対応策をご紹介します。


■ ケース①:利用者との“声かけ”で誤解を招く

事例:
日本語がまだ不十分なスタッフが、利用者に「座ってください」と伝える際、語尾を強く言ってしまい、命令口調のように聞こえてしまった。
利用者から「横柄な態度だ」との指摘があり、現場が緊張した空気に。

対応:

  • 利用者に丁寧に状況を説明し、スタッフと一緒に謝罪

  • 本人には「日本語の語尾が相手への印象を大きく左右する」ことを具体例で説明

  • 翌日から「声かけチェックリスト」を導入。優しい語尾やトーンの練習を始める

👉「言葉は合っていても、“伝わり方”が違えばトラブルになる」
文化的な違いの中で、語感や表現を丁寧に教える姿勢が求められます。


■ ケース②:生活習慣の違いで部屋が不衛生に…本人も気づいていなかった

事例:
寮で一人暮らしをしていた外国人スタッフが、ゴミ出しのタイミングや整理整頓の習慣がつかめず、
室内に小さな虫が目立つような環境になっていた。本人は「特に気にしていなかった」と話していたが、巡回時に状況が確認された。

対応:

  • 衛生管理の重要性を、やさしい日本語+イラストを交えて説明

  • 「ゴミ出しルール」とあわせて、「室内環境チェック表」を翻訳付きで配布

  • 週に1回、本人が自己チェックを行う仕組みを導入

  • 「できていない」ではなく、「一緒に整えていこう」というスタンスで支援

👉“清潔感”や“衛生意識”も文化によって違うもの。
押しつけではなく、理解と習慣づけを伴う支援が効果的です。


■ ケース③:遅刻が続いた理由は、生活リズムとメンタルの問題だった

事例:
外国にいる家族と深夜に長電話をしてしまい、寝不足で遅刻が続いた。
初めは「やる気がないのでは?」と思われたが、面談で事情を聞くと、母国の家族との別れが精神的に負担になっていたことが判明。

対応:

  • まずは頭ごなしに注意せず、「何かあった?」と声をかける

  • 家族との関係・寂しさを受け止めた上で、夜間のスマホ使用に一緒に工夫を

  • 「生活リズム表」を使って睡眠時間・起床時間を記録し、支援者と共有

  • 定期的な面談でメンタル面のフォローも実施

👉生活面のトラブルの背景には、本人のストレスや孤独感が潜んでいることも。
「行動」ではなく「背景」に目を向けることが、トラブル解決の第一歩です。


■ トラブル対応の鉄則:「叱る前に、理解する」

外国人スタッフとのトラブル対応で最も大切なのは、
「悪意があるかどうか」ではなく、「知らなかった・分からなかった」という可能性に目を向けること」です。

✔ 感情的にならない
✔ 背景を聞く
✔ 翻訳や図解などで“伝わる工夫”をする
✔ 失敗を責めず、次につなげる

この姿勢を持つことで、トラブルが「信頼」へと変わる瞬間が生まれます。


■ 当社の支援例:トラブルを未然に防ぐ+起きた後も手厚く支える

私たちSAアソシエーションでは、外国人スタッフの生活・就労支援に加え、トラブル時のフォロー体制も重視しています。

【支援内容の一例】

  • 24時間相談対応のLINE窓口

  • 面談や巡回での早期発見・対応

  • 翻訳付きルールブックや衛生マニュアルの提供

  • メンタルフォローの充実(孤立防止の面談や地域交流支援)

  • 各法人ごとの「生活ルールの見える化」サポート

“トラブルも育成の一部”として、一緒に乗り越える仕組みづくりが、定着と信頼のカギになると考えています。


■ まとめ:トラブルは“育つ機会”。叱るより、整える。

外国人スタッフとのトラブルを、
「手間がかかること」と捉えるか、
「信頼を築くチャンス」と捉えるかで、現場の空気は大きく変わります。

文化が違うからこそ、ズレや誤解はつきもの。
でも、その都度しっかり向き合うことで、スタッフは育ち、現場も強くなっていきます。

トラブル=マイナスではなく、
“関係を深めるきっかけ”として活かしていくことが、これからの現場には必要です。