外国人雇用に影響大!労働基準法改正骨子案と企業が今から準備すべきこと

1. はじめに

2025年以降、労働基準法の改正が現実味を帯びています。
今回の骨子案は、働き方改革の次のステップとして、長時間労働の抑制や柔軟な働き方の推進を目的にしています。
日本人従業員だけでなく、技能実習生や特定技能をはじめとする外国人労働者の働き方やシフト管理にも影響する内容です。


2. 労働基準法改正「骨子案」の主なポイント

① 14日以上の連続勤務禁止

現行制度では、最大48日間の連続勤務が理論上可能でしたが、これを14日までに制限する案です。
→ 繁忙期に外国人労働者へ連勤をお願いしていた業種(介護・製造・飲食など)は、シフト組みに影響大。

② 副業・兼業時の労働時間通算制度廃止

本業と副業の労働時間を合算して割増賃金を支払うルールを廃止する案です。
→ 外国人が副業をしている場合、本業側の労務管理が簡素化されますが、在留資格の活動範囲や週28時間制限(留学生)など入管ルールとの整合性確認が必要です。

③ テレワーク併用型フレックスタイム制

出社と在宅勤務を柔軟に組み合わせる制度。
→ これまで現場勤務が基本だった外国人雇用でも、業務内容によっては在宅勤務の選択肢が広がる可能性があります。


3. 外国人労働者への具体的影響

  • シフト調整の制約増
    連勤制限により、短期集中で稼ぎたい外国人労働者に影響が出る可能性。

  • 労働時間管理の簡素化
    副業時間の通算義務がなくなるため、企業側の計算負担は軽減。ただしビザ条件違反防止のための就労内容・時間の把握は必要。

  • 柔軟な働き方の可能性
    テレワークやフレックスタイムの導入により、育児や通院などと両立しやすくなるケースも。


4. 企業が今から準備すべきこと

  1. 就業規則の見直し

    • 連続勤務日数の上限を明記

    • 勤務間インターバルや休憩時間のルール整備

  2. 労働時間管理方法の統一

    • 副業先との情報共有方法を整備(必要に応じて同意書)

    • タイムカードや勤怠アプリの多言語対応

  3. 労務ルール説明の多言語化

    • やさしい日本語や母国語での説明資料作成

    • 入社時オリエンテーションでの労基法説明


5. まとめ

労基法改正は、単なる法令対応ではなく、外国人労働者と企業の関係をより安全・持続的にするチャンスです。
施行後に慌てないためにも、今から社内ルールの見直しや多言語化、外国人スタッフへの説明体制を整えておきましょう。

当社では、外国人雇用に関する労務ルールの整備や多言語化サポートも行っています。
法改正に向けた準備や外国人雇用のご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。