外国人スタッフに“頼りすぎない”職場づくりのススメ

「頑張る人ほど辞めていく」現場にならないために


「●●さんがいないと現場が回らない」
「外国人スタッフの方が正職員より頼れる」
そんな声が現場から聞こえるようになっていませんか?

優秀な外国人スタッフが増えることは、現場にとって大きなプラスです。
でも同時に、“頼りすぎてしまう”ことで、本人に過度な負担がかかるリスクも見落とせません。

今回は、「定着し続ける職場」には欠かせない、
“頼りすぎない仕組み”の作り方をご紹介します。


■ よくある“頼りすぎ”のパターン

✅ 「本人が断れないことをいいことに、夜勤シフトを多く入れている」
✅ 「日本語ができるからと、通訳や新人教育も全部丸投げしている」
✅ 「日本人職員より働きぶりがいいからと、何でも任せてしまう」

一見、信頼や評価のように見えても、
本人からすると──
「断ったら迷惑をかける」
「疲れていても、NOと言えない」
「頑張り続けないと認められない」

という精神的な圧力につながっていることもあります。


✅ 「頼りすぎ」を防ぐ5つの視点

① 「できる人に集まる仕組み」を見直す

業務が集中している人がいたら、それは“個人”の問題ではなく“仕組み”の問題です。

  • シフトは公平か

  • 責任の範囲は明確か

  • 他の職員と役割に偏りがないか

を定期的に見直しましょう。


② 通訳や指導を“仕事として扱う”

外国人スタッフが「同じ国の後輩の通訳役」を任されている場合、
それを**「ボランティア」ではなく「業務の一部」として正式に扱うこと**が重要です。

  • 通訳時間をシフト内で確保する

  • 対価を明確にする(手当・評価)

  • 本人に「やりたいかどうか」を確認する

👉 頼るのではなく、“任せる環境”を整えましょう。


③ 「断ってもいい雰囲気」をつくる

文化的背景もあり、多くの外国人スタッフは断ることが苦手です。

だからこそ、
「できる?」「無理なら言ってね」
「今日は休んでもいいよ」
と**“断っても大丈夫”な前提づくり**が大切です。

👉 本音を引き出す雰囲気が、結果として長く働きやすくなります。


④ “頑張って当然”ではなく“頑張りすぎない”ことを褒める

一人で抱え込んでしまう人に対しては、
「ありがとう」よりも「相談してくれてありがとう」の方が効果的な場面もあります。

  • 「報告してくれて助かった」

  • 「声かけしてくれてうれしかった」

  • 「しんどい時に頼ってくれてありがとう」

👉 「背負わなくていいんだよ」のメッセージを日常から伝えましょう。


⑤ チーム全体で“支え合い”を可視化する

“頑張る人に依存する職場”ではなく、
“お互いを支え合うチーム”をつくるには、
感謝や分担を見える形にする工夫が有効です。

✅ 例:

  • 感謝カード・掲示板

  • 週に1回の「よかったこと共有タイム」

  • 「〇〇さんに手伝ってもらって助かった」などの記録シート

👉 頼りすぎではなく、「支え合っている」実感が残る職場に。


■ まとめ:「信頼してるから任せる」は、時に負担にもなる

外国人スタッフにとって、
“頼られる”ことは誇らしいことでもあります。
でも、頼りすぎられることは、時に大きなプレッシャーにもなります。

  • 本人が断れる環境があるか

  • チーム全体で支えているか

  • 偏りを見直す視点があるか

これらを意識するだけで、
**「ここは私だけじゃなく、みんなでやっている」**という安心感につながります。

当社では、こうした「組織づくり」の視点から、
外国人スタッフが“定着しやすい現場”をつくるお手伝いをしています。

“育てる”から“一緒に働き続けられる”へ。
ぜひ、ご相談ください。