外国人が日本で働くと、日本人と同じように厚生年金(会社で働く人が加入する年金)に加入します。しかし、日本で働いた後に母国へ帰ると、せっかく払った年金を日本で受け取ることができません。
そこで、日本には**「脱退一時金」**という制度があります。これは、日本で年金を払った外国人が帰国したときに、一部のお金を受け取れる制度です。
どうして脱退一時金をもらうの?
日本の年金は、原則として65歳になったときに毎月もらえる仕組みですが、
- 日本にずっと住まない外国人は、将来年金を受け取る資格がない。
- そのため、帰国する際に「払ったお金の一部を返してもらう」制度がある。
これが脱退一時金です。
いくらもらえるの?
もらえる金額は、日本で働いた期間と払った金額によって変わります。 例えば、
- 3年間働いた場合 → 数十万円程度戻ってくる。
- 5年間働いた場合 → さらに多くの金額が受け取れる。
ただし、全額戻ってくるわけではなく、一部だけです。
遡求期限(請求期限)について
脱退一時金には請求期限があり、帰国後2年以内に申請しないと受け取れません。
例えば、
- 2025年3月に帰国した場合 → 2027年3月までに申請が必要。
- 期限を過ぎると受け取る権利がなくなってしまう。
そのため、帰国後はできるだけ早く申請手続きをすることが大切です。
なぜこれが問題になるの?
特定技能の外国人の中には、このお金をもらうために2年で帰国するケースが増えていることが問題になっています。
例えば、
- 技能実習生として3年間働く(この間に厚生年金に加入)
- 特定技能に移行し、さらに2年間働く
- 5年経過すると脱退一時金を受け取る資格ができるので帰国する
つまり、「長く働くつもりで雇ったのに、2年で辞めてしまう」ことが増えているのです。
まとめ
- 脱退一時金は、外国人が日本で払った厚生年金の一部を帰国時にもらえる制度。
- 5年間働けば受け取れるため、特定技能に移行した外国人が2年で帰国するケースが増えている。
- 請求期限は帰国後2年以内で、それを過ぎると受け取れなくなる。
- このため、企業側は長期雇用を見込んでいても、早期帰国されるリスクがある。
こうした問題を考えると、最初から新規で外国人を採用し、長期的な定着を目指すほうがメリットが大きいとも言えます。