入国して間もない実習生に、最初に伝える日本語はたった3つ

毎週、オンラインで外国人実習生への教育を行っています。
入国して間もない時期は、日本語がほとんど分からず、不安そうな表情をしている人も少なくありません。

その段階で、文法や専門用語を教えることはしません。
まず伝える日本語は、いつもこの3つだけです。


最初に教える言葉はこの3つ

  • 失礼します
  • ありがとうございました
  • はい!

理由はシンプルです。
この3つは、言葉が通じなくても「態度」と「関係性」をつくれる言葉だからです。


「失礼します」は行動のはじまりと終わりに

「失礼します」は、日本語としては短い言葉ですが、使い方で意味が大きく変わります。

ドアを開ける前。
人の前に立つとき。
作業を始めるとき。

行動の“前”に「失礼します」

そして、
部屋を出るとき。
作業が終わったとき。
声をかけ終わったとき。

行動の“後”にも「失礼します」

言葉の意味が完全に分からなくても、
「今から何かを始める」「今、終わります」というサインになることを伝えています。


「ありがとうございました」は、関係を終わらせない言葉

次に教えるのが「ありがとうございました」です。

仕事が終わったあと。
教えてもらったあと。
声をかけてもらったあと。

何が分かったかより、「感謝を伝える」ことを先に覚えてもらいます。

日本の現場では、上手に話せることよりも、
「最後にきちんと感謝を伝えられるか」が、信頼に直結します。


一番大事なのは「はい!」

3つの中で、いちばん大切にしているのが「はい!」です。

名前を呼ばれたとき。
指示を受けたとき。
声をかけられたとき。

分からなくてもいい。
内容が理解できなくてもいい。

まず「はい!」と返事をする。

「聞いています」「無視していません」「ここにいます」
このサインを出すことが、現場ではとても重要です。

返事ができるだけで、
「教えても大丈夫」「声をかけやすい」という空気が生まれます。


言葉を教える前に、態度をそろえる

日本語教育というと、単語や文法を思い浮かべがちですが、
入国直後の段階で必要なのは会話力ではありません

・始まりと終わりが分かること
・感謝を伝えられること
・呼ばれたら返事ができること

この3つがそろうだけで、
現場でのトラブルは大きく減ります。


毎週のオンライン教育で大切にしていること

毎週のオンライン教育では、
「正しく話すこと」よりも「伝わる行動」を繰り返し確認しています。

言葉は、あとから必ず増えていきます。
でも最初の3つは、どれだけ日本語が上達しても、ずっと使い続ける言葉です。

写真に写っているのは、
そんな基本を、毎週コツコツ確認している時間です。

派手ではありませんが、
この積み重ねが、現場での安心につながっていきます。