仕事に公私混同はいらない ― 仲の良さは安心を生むが、成長は生まない

若い頃の私は、
「仲の良いメンバーで働ける職場は、いい職場だ」
そう思っていました。

実際、仲の良いメンバーと一緒に働く現場は、
雰囲気も良く、トラブルも少ない。
笑顔も多く、居心地もいい。

でも今は、
それだけでは足りないと思っています。

仲の良さは、安心にはなる

仲が良い。
気心が知れている。
言わなくても分かる。

これは、確かに強みです。

・意見を言いやすい
・衝突が少ない
・精神的に楽

現場として「回す」だけなら、
とても安定します。

ただ、その安定は、
変化を嫌う安定でもありました。

仲が良いと、言わなくなることがある

仲が良いからこそ、
言わなくなることがあります。

・本当は違和感がある
・本当は納得していない
・本当はもっと良くできる

でも、
「空気を壊したくない」
「関係を悪くしたくない」

そうやって、
大事な意見ほど、飲み込まれていく。

私はそれを、
「チームワークがいい」と勘違いしていました。

成長に必要なのは、心地よさじゃなかった

成長する場面を振り返ると、
そこには必ず「孤独」がありました。

・誰にも答えをもらえない
・自分で決めるしかない
・正解かどうか分からない

この状態は、正直しんどい。
でも、人はここでしか伸びません。

仲の良い集団の中では、
この孤独が生まれにくい。

誰かが助けてくれる。
誰かが代わりに決めてくれる。

それは優しさでもあり、
同時に、成長のブレーキでもありました。

公私混同が生む、見えない歪み

仕事に私情が入りすぎると、
判断が曇ります。

・言うべきことが言えない
・評価が甘くなる
・線引きができなくなる

私は過去に、
「仲がいいから大丈夫」
と自分に言い聞かせて、
問題を見過ごしていました。

結果、
本人のためにも、
組織のためにもならなかった。

孤独は、悪いものじゃない

ここで誤解してほしくないのは、
孤独=放置、ではありません。

孤独とは、
自分で考え、自分で決める時間です。

管理職がすべきなのは、
孤独を消すことではなく、
孤独に耐えられる環境を用意すること。

・間違えても戻れる
・責任は上が取る
・挑戦は否定しない

この前提があって初めて、
孤独は成長に変わります。

今の自分が大切にしていること

今の私は、
仕事に過度な公私混同は持ち込みません。

仲は良くなる。
でも、馴れ合わない。

信頼はする。
でも、甘やかさない。

距離があるからこそ、
言えることがある。

距離があるからこそ、
守れる線がある。

成長は、静かな場所で起きる

成長は、
にぎやかな輪の中では起きません。

誰かと笑っている時間ではなく、
一人で考え、悩み、決めた時間の中で起きます。

管理職として、
私が今できることは、

孤独を奪わないこと。
孤独を責めないこと。
孤独のあとに、受け止めること。