「伝える」ではなく「伝わる」ことが大切
「外国人スタッフにどう言えば伝わるのか分からない…」
「“伝えたつもり”なのに、行き違いが起きてしまった」
そんな場面、介護現場ではよくあります。
そこで役立つのが、“やさしい日本語”という考え方です。
今回は、外国人スタッフと働く中で「実際に使える」「伝わりやすい」言い換えフレーズを30個、カテゴリ別にご紹介します。
■ やさしい日本語とは?
日本語を母語としない人でも理解しやすいように、以下のような工夫をした話し方のことです。
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文法をシンプルにする
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難しい単語をやさしく言いかえる
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1文を短く、具体的に話す
“外国人向け”だけでなく、利用者さんや新人職員にも伝わりやすいというメリットもあります。
✅ 声かけ編(利用者対応)
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「少々お待ちください」 → 「ちょっと まってください」
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「体調がすぐれないですね」 → 「からだが つらいですね」
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「こちらへどうぞ」 → 「こっちに きてください」
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「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」 → 「なまえを おしえてください」
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「お手伝いしましょうか?」 → 「てつだいましょうか?」
✅ 介助動作編
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「椅子に腰かけてください」 → 「いすに すわってください」
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「上着を脱いでください」 → 「うわぎを ぬいでください」
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「歩行器を使ってください」 → 「ほこうきを つかってください」
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「立ち上がってください」 → 「たってください」
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「手すりを持ってください」 → 「てすりを もってください」
✅ スタッフ間の伝達フレーズ
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「利用者さんが転倒しました」 → 「○○さんが たおれました」
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「今からオムツ交換します」 → 「いまから オムツを かえます」
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「この後、入浴介助お願いします」 → 「このあと おふろ てつだってください」
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「食事の介助が必要です」 → 「ごはんの てつだいが ひつようです」
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「看護師さんに報告してください」 → 「かんごしに つたえてください」
✅ 注意やお願いを伝えるとき
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「もう少し慎重にお願いします」 → 「もっと ゆっくり おねがいします」
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「そのやり方は危ないです」 → 「それは あぶないです」
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「分からないときは聞いてください」 → 「わからないときは きいてください」
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「次から気をつけてくださいね」 → 「つぎは きをつけてください」
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「先に報告してほしかったです」 → 「まえに いってほしかったです」
■ 使い方のポイント
① 短く・区切って話す
例:✕「お風呂の準備ができたので、○○さんを誘導してください」
→ ○「○○さん、いま おふろです」「つれていってください」
② 抽象語は避けて具体的に
例:「しばらく」→「10ふん」「3じまで」など、数字で表現
③ 語尾をやわらかくする
「〜してください」「〜ましょうか」で自然な丁寧さが出せます。
■ 現場で感じた変化
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「伝わらない」→「伝え方を変える」でストレスが激減
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日本人スタッフにも、マニュアルをやさしくする流れが生まれた
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利用者さんとのやり取りも円滑に(特に認知症の方にも有効)
■ まとめ:「伝え方」を変えるだけで、関係性が変わる
やさしい日本語は、外国人スタッフのためだけのものではありません。
現場全体のコミュニケーションを見直すきっかけになり、安心して働ける職場づくりにもつながります。
当社では、やさしい日本語に対応した声かけ集や、
研修資料、翻訳付きマニュアルの作成支援も行っています。
伝わらないのではなく、“伝え方”の工夫が足りていないだけかもしれません。
ぜひ、明日からの現場で試してみてください。