介護分野・特定技能外国人の在留期間延長について

介護福祉士国家試験「パート合格制度」を踏まえた新たな運用

介護分野における特定技能外国人の受入れについて、現場にとって非常に重要な運用が始まっています。
今回のポイントは、介護福祉士国家試験に新たに導入された「パート合格制度」と、特定技能1号の在留期間延長が連動した点です。

これまで介護分野の特定技能1号は、通算5年で必ず帰国する必要がありました。しかし今回の運用により、一定の条件を満たした場合に限り、6年目まで日本に在留しながら国家試験合格を目指すことが可能になりました。

これは、本人にとっても、受入機関にとっても、非常に大きな意味を持つ制度変更です。

介護福祉士国家試験の「パート合格制度」とは

令和8年1月25日に実施される第38回介護福祉士国家試験から、試験制度が見直されています。
国家試験の科目をいくつかのグループ、いわゆる「パート」に分け、一定の合格水準に達したパートについては、翌々年まで当該パートの受験が免除される仕組みが導入されました。

一度の試験で全科目合格に至らなかった場合でも、一定の成果があれば次回以降の受験負担が軽減される制度です。
外国人材にとって、国家試験合格への現実的な道筋が広がったと言えます。

特定技能1号の在留期間延長が認められる背景

令和7年9月30日に関係法令が改正され、特定技能2号評価試験等に不合格となった特定技能1号外国人であっても、一定の条件を満たす場合には、通算在留期間が6年に達するまで在留可能とする運用が開始されています。

今回の通知は、この運用と介護福祉士国家試験のパート合格制度を組み合わせたものです。
国としては、やる気があり、一定の成果を出している人材については、引き続き日本での挑戦を後押しする姿勢を明確にしたと言えます。

在留期間延長の対象となる外国人の要件

対象となるのは、介護分野の特定技能1号として日本に在留している外国人のうち、通算在留期間5年を迎える直前の介護福祉士国家試験において、全パートを受験していることが前提となります。

そのうえで、少なくとも1パート以上に合格していること、かつ総得点が合格基準点の8割以上に達していることが必要です。

さらに、在留期間延長後については、本人が国家試験合格に向けて真摯に努力し、必ず受験すること、合格した場合には速やかに在留資格「介護」へ変更申請を行うこと、万が一合格できなかった場合には速やかに帰国することを誓約する必要があります。

単なる延命措置ではなく、明確な覚悟と進路が求められています。

受入機関に求められる役割と責任

今回の運用では、受入機関の関与が非常に重要です。
対象となる外国人本人とともに、翌年度の国家試験合格を目指した具体的な学習計画を作成し、厚生労働省へ提出することが求められています。

この学習計画には、国家試験対策に関する講座や研修の受講予定など、実効性のある内容が含まれている必要があります。
本人任せ、現場任せでは通らない制度であり、受入機関にも育成責任が明確に課されています。

必要な手続きと提出期限について

在留期間延長を行うためには、所定の確認依頼書、国家試験結果の写し、在留カードの写し、学習計画書を厚生労働省へ提出する必要があります。

提出期限は、国家試験を受験した年の4月末日までとなっており、当日消印有効です。
提出方法は郵送のみで、持ち込みやメールでの提出は認められていません。

なお、対象者本人の在留期限が迫っている場合には、期限を待たず、速やかに提出することが求められています。

この制度が現場に突きつけているもの

今回の制度変更は、人手不足対策というよりも、「本気で育てる覚悟があるかどうか」を受入側に問いかける内容です。

努力している人材は支える。
しかし、受入側も伴走しなければならない。

国はその姿勢を、かなり明確に示しています。

いま現場で確認しておくべきこと

5年目を迎える特定技能外国人がいないか。
国家試験の受験状況や成績はどうか。
本人と一緒に学習計画を立てられる体制があるか。
期限内に書類を整えられるか。

制度は、知っているだけでは意味がありません。
準備しているかどうかで、結果が大きく変わります。