人が辞める前には、必ずサインが出ている ― 私はそれを全部、見逃していた

「突然辞められた」
当時の私は、そう思っていました。

でも今なら、はっきり言えます。
突然なんかじゃなかった。

サインは、
何度も、何度も、
目の前に出ていました。

それを見なかったのは、
私でした。

辞める人は、最後に静かになる

一番分かりやすいサインは、
静かになることです。

・意見を言わなくなる
・質問をしなくなる
・雑談に入らなくなる

でも当時の私は、
それをこう受け取っていました。

「落ち着いてきたな」
「仕事に慣れたんだろう」

完全な勘違いでした。

本当は、
諦めていただけだった。

相談が減ったとき、もう危険信号だった

今思えば、
相談が減った時点で、
かなり危なかった。

人は、
「ここなら話してもいい」
と思えなくなった瞬間、
一気に距離を取ります。

私はそれを、
「自立した」
「手がかからなくなった」

そう解釈していました。

管理職として、
いちばんやってはいけない勘違いです。

表情と返事は、正直だった

言葉よりも、
態度の方が正直です。

・返事はするが、目を合わせない
・「はい」は言うが、声に力がない
・指示は守るが、工夫が消える

これらは全部、
心が職場から離れ始めているサインでした。

でも私は、
「問題なく回っている」
と判断してしまった。

辞める直前に、人は何を考えているか

辞める直前の人は、
こう考えています。

・もう言っても変わらない
・ここにいても成長できない
・期待されていない/期待に応えられない

この状態になると、
引き止めはほとんど意味を持ちません。

だから、
退職の相談を受けたとき、
私は何も言えなかった。

すでに、
手遅れだったからです。

私が一番見逃していたサイン

一番のサインは、
私に対する態度でした。

・意見を言わなくなる
・必要最低限の会話だけになる
・距離を取られる

でも当時の私は、
それを「尊重されている距離」だと思っていた。

違いました。

近づくのを諦められていただけです。

今の自分なら、ここで立ち止まる

今なら、
これらのサインが出た時点で、
必ず立ち止まります。

問いかけは、
シンプルでいい。

「最近、話せてない気がするけどどう?」
「無理してない?」
「ここで続けたいと思えてる?」

答えを急がない。
正論を言わない。
評価を挟まない。

ただ、
聞く。

管理職の仕事は、辞めさせないことじゃない

ここで大事なのは、
「辞めさせないこと」ではありません。

辞める前に、
「ここで話していい」
と思える場所をつくること。

残るか、辞めるかは、
本人が決める。

でも、
黙って消える状況だけは、
つくらない。

あの現場で、私ができなかったこと

新卒がほぼ全員辞めた現場で、
私はこのサインを、
すべて見逃しました。

忙しさを理由に。
正しさを理由に。
管理職としての立場を理由に。

今でも、
そこは強く後悔しています。