有限会社S.A.アソシエーションでは、ミスそのものを強く責める文化はありません。人が関わる仕事である以上、ミスは必ず起きます。完璧な現場など存在しません。
ただし、私たちが一線を引くポイントがあります。それは、ミスをしたことではなく、隠したかどうかです。
ミスは誰にでも起きる
福祉や外国人支援の現場では、判断が重なり合い、想定外の出来事も頻繁に起きます。制度が複雑で、関係者も多く、状況は日々変わります。
そうした中で、判断を誤ることや、見落としが起きることは珍しくありません。重要なのは、「ミスをゼロにすること」ではなく、ミスが起きたときにどう向き合うかです。
ミスをした瞬間よりも、その後の対応の方が、はるかに重要になります。
隠した瞬間に、信頼は壊れる
ミスが起きたとき、多くの人が一度はこう考えます。
「今言ったら怒られるかもしれない」「もう少し自分で何とかしてから報告しよう」「大ごとにしたくない」
その気持ちは理解できます。しかし、隠した瞬間に、信頼は一気に崩れ始めます。
問題は、時間が経つほど複雑になります。関係者が増え、選択肢が減り、修正が効かなくなります。結果として、本人だけでなく、組織全体が責任を負う形になります。
正直に言える人ほど、守られる
S.A.アソシエーションでは、早い段階で正直に共有した人を、責めることはありません。むしろ、その姿勢を評価します。
「ここで判断を誤ったかもしれません」「見落としていました」「対応に迷っています」。そうした言葉を出せる人ほど、組織として守りやすいのです。
逆に、事実が後から判明した場合、どれだけ悪気がなかったとしても、信頼関係の修復には時間がかかります。
責任を取るとは、抱え込むことではない
この仕事では、「責任感が強い人」が抱え込みやすい傾向があります。しかし、責任を取ることと、一人で抱え込むことは、まったく別です。
責任を取るとは、事実を共有し、最善の対応を選ぶことです。自分一人で何とかすることではありません。
早く共有すれば、修正の選択肢があります。遅れれば遅れるほど、選択肢は減っていきます。その違いは、とても大きいものです。
守る基準を、はっきりさせる
代表として、私ははっきり伝えています。
「ミスをした人は守る。隠した人は守れない」
これは冷たい線引きではありません。組織として、支援を続けるために必要な基準です。誰を守るか、何を守るかを曖昧にすると、結果的に誰も守れなくなります。
正直に話せる空気をつくること。黙らなくていい文化をつくること。それが、支援の質を守り、働く人自身を守ることにつながると、私は考えています。
次回は、「人間関係で消耗しない職場をどうつくるか」について書いていきます。