登録支援機関って何するの?

介護施設の採用担当が知っておくべきこと

「特定技能で外国人を雇いたいんだけど、登録支援機関って必要なの?」
「ウチは小規模だから、自前でできないかと考えていて…」

そんな相談を、介護施設の方からよく受けます。

結論から言えば、“特定技能1号”で外国人を雇うには、登録支援機関の存在が非常に重要です。
制度上は“支援計画の実施”を自社で行うことも可能ですが、介護現場が本業の中、書類対応や外国人の生活支援まで自力でこなすのは正直かなり大変です。

今回は、介護と登録支援の両面から支援している私の立場から、登録支援機関の役割と、介護施設にとってのメリット・注意点をまとめてご紹介します。


■ 登録支援機関とは?ざっくり言えば「生活と就労の伴走者」

外国人が「特定技能1号」の在留資格で日本に来て働く場合、
日本語が十分でなかったり、日本の制度や文化に不慣れだったりすることがほとんどです。

そのため、法律で支援の実施が義務づけられています
それを担うのが、登録支援機関です。

登録支援機関は、以下のような全11項目の支援を実施します(法務省・出入国在留管理庁による定義)。


【主な支援内容】

  1. 入国前のガイダンス(オンライン等)

  2. 空港への出迎え、住居確保の支援

  3. ライフライン(電気・水道・携帯)など生活立ち上げ支援

  4. 日本語学習の機会提供

  5. 定期的な面談(3ヶ月に1回以上)

  6. 転職やトラブル対応時の相談受付

  7. 病気や災害など緊急時の支援

  8. 行政手続きのサポート(役所・年金・保険など)

…など、単なる通訳や生活案内以上のきめ細かな対応が求められます。


■ なぜ介護施設が登録支援機関と組むべきなのか?

① 現場の負担が大きすぎる

施設側が直接支援をすることも法的には可能です。
ただし、そのためには法務省へ**「支援計画の自己実施」申請**を行い、適切な体制と実績が求められます。

特に小規模の事業所では、支援担当者を別に確保することが現実的ではないことが多いです。

その点、登録支援機関は支援に特化したノウハウと体制が整っており、
現場は**「介護の仕事」に集中できる**環境をつくってくれます。


② 定着率が変わる

外国人スタッフが途中で辞めてしまう理由の多くは、
仕事そのものよりも「生活上の不安」や「相談できない環境」にあります。

たとえば、

  • アパートの契約ができない

  • ゴミ出しのルールが分からない

  • 同僚との人間関係に悩んでいる

  • 役所からの書類が読めない

こうした「小さな困りごと」の積み重ねが、離職の引き金になります。

登録支援機関が間に入って、生活・メンタル面のケアを行うことで、
定着率は確実に向上します。


■ 登録支援機関を選ぶときのチェックポイント

現在、登録支援機関は全国に数千社ありますが、質は本当にピンキリです。
以下のようなポイントは必ず確認しましょう。

  • 介護業界に理解があるか?

  • 実際の支援実績があるか?

  • 外国人と日常的にやり取りしているスタッフがいるか?

  • LINEなどで迅速な連絡が取れるか?

  • 定期訪問・報告体制が整っているか?

また、自社と同じ地域に拠点がある支援機関を選ぶと、対応のスピードや柔軟性が全く違ってきます。


■ 登録支援費用の相場と当社のご提案

登録支援費用の一般的な相場は、月額2万円〜3万円です。
これは、入国から生活立ち上げ、定期面談、日本語学習フォロー、トラブル対応までを含めた価格です。

一見高く見えるかもしれませんが、これらの業務を全て施設内で行うコストや人件費と比較すると、むしろ割安です。

また、当社では小規模事業者向けの支援プランもご用意しています。
「まず1人だけ雇いたい」「人手不足だけど育成の時間がない」といった声に応える形で、
無駄なく支援を届ける仕組みを整えています。

私たちは、採用費を最小限に抑え、“育成費”にしっかり回してもらいたいと考えています。
外国人材を「穴埋め要員」ではなく「未来の戦力」として育てていくために、
最初の土台づくりを一緒に担っていきます。


■ まとめ:採用成功のカギは「支援」にあり

外国人材の受け入れは、「採用したら終わり」ではありません。
むしろ、そこからが本当のスタートです。

現場と外国人の間に立ち、働きやすい環境づくりと信頼関係の構築を支えるのが登録支援機関の役割です。

私たちのような支援機関と組むことで、
施設は本来の介護業務に集中でき、
外国人スタッフは安心して長く働き続けることができます。

“人材定着”こそが、最大のコスト削減であり、最大の投資対効果です。